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内海 由博の『SCM改善活動を通した在庫適正化への取組み』(1/4)|システム構築やトータルソリューションをお探しなら、日立ソリューションズをご利用ください。

特集・コラム

SCM改善活動を通した在庫適正化への取組み(1/4) SCM改善活動を通した在庫適正化への取組み(1/4)

過剰在庫と欠品の発生を抑制し、在庫の最適化を目指して、生産・販売・在庫(PSI)コントロールを容易にする仕組みを開発した。この仕組みを利用し、PSI情報の共有を通した部門間の連携により、問題在庫を早期に発見し手を打つ改善プロセスを実現した事例を紹介する。業務活動で発生する様々なデータを如何に改善に生かすか、その取組みと成功のポイントを紹介する。在庫日数を最小に誘導する、その秘策とは。

2010年3月期の企業決算を見ると、リーマンショック以降悪化していた業績が回復基調になり、増益になった企業が増えている。

売上が伸び悩む中、増益している企業には、コストの圧縮に積極的に取組み利益を確保しているところが目立っている。コスト圧縮の取組みの中では、『在庫』を課題にしている企業が多い。その理由は、流通業、製造業、小売業において在庫金額が年商に占める割合の10~30%と大きく、キャッシュフローの改善には、この在庫金額の削減が大きく貢献するからである。在庫は資材在庫、仕掛在庫、製品在庫など様々であるが、各在庫を削減することにより、直接的な在庫金額の抑制に加え、倉庫費用や保管用スペース、管理工数の削減など、コスト削減につながる恩恵が多くもたらされる。しかし、一律に在庫量を下げるのは、定番品などの高回転品に欠品を発生させる恐れがあり賢明ではない。

それぞれの特性を考慮して、いわゆる適正在庫にすることで在庫削減を実現することが重要である。 在庫削減の施策として“見える化”をテーマにした取組みが注目を集めてはいるが、その実態は数字の表形式による数値の共有や、社内の一部担当者による分析・可視化の仕組みに留まっており、全社的な効果を発揮できている企業は少ない。

SCMの取組みの中で“見える化“を取り入れ在庫適正化に成功した事例(S社)を紹介する。

S社は消費材メーカとして、ヘアケア、化粧品、健康食品、オーラルケア商品などの製造販売を行っている。1990年以降、SCMの改革に取組み、CS向上、資産の有効活用、特に過剰在庫と欠品の抑制によるキャッシュフローの良化を目的にとしたITシステム導入を実施してきた。当社は2003年より、このITシステムの中でも需要予測や販売計画システムそして、生産計画システムについてソリューション導入のサポートを行い、特に2006年以降は、S社と共同研究による在庫可視化・調整のシステム開発を進めてきた。本稿では、生産・販売・在庫(PSI)の可視化システムについて紹介する。

何故、可視化が必要なのか。それは異常を早く気付くこと、そして気付いた異常を関連部門に伝えることにある。需給調整業務を行うSCM部門は、生産も販売も行わない。必要と思われる方法や数値を決め、実行部門に依頼をするだけである。このため、解り易い方法で実行部門(生産・営業)に説明し理解させる必要がある。

本システムは、一年以上の期間でPSIの実態を、全社計からSKU単位まで瞬時に可視化することで、過剰・欠品といった問題点を早期に発見し、関連部署と情報共有するシステムである。

システムの機能の一部を紹介しよう。

図1.カテゴリ別在庫サムネイル一覧

※図1.カテゴリ別在庫サムネイル一覧

この仕組みの最大の特徴は、図1に示すように単年から数年分の在庫推移をグラフ化しサムネイル(一覧)表示するところにある。S社商品の特徴としては、商品カテゴリが多岐に分かれていること、個別受注品に比べ見込み生産(一部外部調達)が多いこと、生産サイクルや販売特性などがそれぞれ異なることなどが挙げられる。この様な業態では、多数の商品SKUから問題在庫を抽出する際、俯瞰的(バードビュー)に確認をすることが有効である。

図2.特徴的な在庫推移

※図2.特徴的な在庫推移

サムネイル一覧から図2の様な、多様な形状を描く在庫推移を目視により確認し問題在庫を抽出していく。在庫推移グラフは、生産または仕入した分の在庫量が増加し、販売・処分などに伴う出荷で在庫量が減少する。 過去の推移から生産サイクル、販売傾向、在庫量の水準が読み取れる。

例えば図2の③のSKUは、期間を通して頻繁に製造され販売もされており、在庫量は期間を通して大きな増減のトレンドが見られない。このSKUは定番商品に相当するものと想定されるが、在庫量は増減しているが全体的に高めで上下していて,グラフで見て在庫量が中位より低くなることがないことから、現在の在庫水準よりも低く抑えられる可能性があり、在庫回転率を改善する余地があると考えられる。

この様に、グラフの形状から商品の特性が読み取れる。SKU毎の在庫をその形状の特性から仕分けを行い、生産サイクルや生産ロットの見直しなど状況に応じた改善を実施していく。また、このサムネイル表示は事業分野、製品カテゴリ、商品ブランドなど、管理対象品目毎に分類して在庫を確認していく。あるブランドに属するSKUを保管倉庫区分別に表示して倉庫間の偏りを確認すると言った様に、大きな属性区分から詳細区部、あるいは異なる属性の組合せで確認するなど、自由にグラフ化して確認することができるため、大量のSKUに対して分析する際にも効率的に問題の所在を把握することができる。

次ページまた、目視による問題SKUの抽出だけでなく在庫回転率や・・

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