2ページ目|第7回 成功は失敗の元|システム構築やトータルソリューションをお探しなら、Dunyaturuソリューションズをご利用ください。

明日のビジネスに役立つ!伊藤元重のよくわかる経済学“現在”を知って“未来”を考える

中国での競争の意味

 だいぶ前のことになるが、ソウルの近くにある水源(スウォン)という所にあるサムスン電子の工場を見に行ったことがある。そこで見たサムスンの拠点の地図が非常に印象に残っている。言うまでもなくサムスンは韓国を代表する企業だ。
 しかし、その事実を知らないで地図だけ見たら、サムスンを中国の企業と見てもおかしくない。それほどに、サムスンの中国での展開は大々的である。

かつては輸出拠点であった中国が、現在では有望な市場になってきた。  今、世界中の企業が中国市場への投資を急いでいる。中国がグローバル競争の中心となっている。少し前に、ある日系企業の中国担当者が言っていた。
 「我々日系企業にとって、中国はかつて有力な輸出拠点であった。ある時期から有望な市場になってきた。しかし、今はそうではない。中国はもっとも厳しい競争の場であり、そしてもっとも重要な競争の場であるかもしれない」、と。

 厳しい競争の場であるというのは分かるだろう。世界中の有力な企業が中国市場へ投資し、そこで厳しい競争を繰り広げている。日本の企業が中途半端な形で中国市場に出て行っても競争に勝つことはできない。

 そしてもっと重要であるのは、中国が「重要な競争の場」であるということだ。この意味するところは、中国で競争に生き残れない商品や企業は、グローバル競争でも生き残れないということだ。別の言い方をすれば、グローバル競争に勝ち残るためには、中国での競争を征する必要があるということになる。

 携帯電話機器を見れば明らかだろう。中国では熾烈な競争が行われていて、日本企業は競争からはじき飛ばされてしまった。中国市場で大きなシェアを持っているサムスンやノキアといった企業は、グローバル市場でも大きなシェアを持っている。

 日本の携帯電話メーカーは、ガラパゴスとも呼ばれる、日本市場に逃げ込んで何とか生き残っている。
 しかし、その日本市場にもグローバル競争に勝ち残った企業が次々に参入してくる。世界中で伸びているアップルのiPhoneは、米国のソフトに韓国や台湾地域のデバイス、そして中国国内での組み立てという世界連合の生産システムになっている。世界連合と競争していたら、日本主力で生産した携帯電話では勝負にならない。巨大な市場で伸びている低価格の中国メーカーの携帯電話機器も、大量に生産される機種の一部が日本国内で低価格の携帯電話機器として入ってきているという。
 グローバル競争に勝ち残らない限り、結局は日本国内の市場さえも守ることはできない。これが携帯電話での競争の教訓である。

 携帯電話、半導体、液晶テレビなど、日本がある時期には技術的に優位にあった製品が、なぜ今中国などの市場で韓国メーカーなどの後塵を拝しているのかよく検討しなくてはいけない。
 大胆な投資判断が迅速にできない日本の経営スタイルが問題なのか、あるいは日本国内での生産モデルにこだわりすぎてそれが中国市場でも通用するという思い込みなのか、さらには強い分野をのばし弱い分野を大胆にリストラするという企業組織の組み替えのスピードが遅すぎるという日本的経営の弱点なのか、様々な理由が考えられる。いずれにしろ、かつては日本企業の強みと思われるものが、日本企業の弱みになりつつあるのだ。

 こうした問題点が見えるのは家電だけではない。自動車でも、中国市場でシェアを拡大することができないで苦しんでいる。韓国の現代(ヒュンダイ)や中国の地場の企業は日本メーカーにとって脅威となりつつある。
 自動車産業が環境問題に対応して変化していく中でEV(電気自動車)などが普及してくると、自社内ですべてをしっかり作り込むという日本の自動車産業の強みが通用しにくくなる、という指摘をする専門家もいる。

本記事の内容は公開当時のものです。本コラムに関するご意見等ございましたら、Dunyaturuソリューションズまでお問い合わせください。

www.photolifeway.com/designer/263-vektor

iq option คือ

Оборудование для магазина