2ページ目|第3回 海外進出しなければ未来はない時代に|知らなかったではもう済まされない 夏野剛の「複雑系思考講座」|システム構築やトータルソリューションをお探しなら、Dunyaturuソリューションズをご利用ください。

株式会社 Dunyaturuソリューションズ

夏野剛の「複雑系思考講座」

第3回 「複雑系」社会におけるリーダー論

日本の通信キャリアは世界で勝てるのか

 では、これからの日本の通信会社はどういう道を進むべきか。もし私が社長だったら答えは簡単です。今度は違うところで「エコシステム」をつくればいい。これからの日本は、人口がどんどん減っていきますから、市場は縮小していきます。これは大変なことです。それまでやってきたことに、新しい付加価値をつける、というぐらいでは対応できないほど難しい局面です。そこで、他で自分たちが勝てる分野がないかと考えるわけです。どんな分野でも既存のプレイヤーがいますが、どの分野なら既存のプレイヤーに勝てるのか、という見極めを行い、選択するのです。

 たとえばインターネット業界は、生き馬の目を抜くような世界ですから、今さら通信業界が打って出ても勝つのは難しい。ですから、通信業界よりもさらに動きが慎重な業界に進出するのがベター。ズバリ言ってそれは「金融」や「保険」業界だと思います。

 これらの業界は私がかつておサイフケータイで携わった経験からわかっていますが、通信業界よりももっと意思決定に時間を要する業界です。そして、「複雑系」に対しての理解が高くないとも言えます。しかし、そこには莫大なマーケットが広がっています。それを指をくわえて見ている手はないでしょう。そう思ってか私の在籍した通信会社はクレジット業界に進出しました。そのクレジットカードは今でもクレジット業界の上位10社に入る会員数を持つのですが、クレジットカードの有名ブランドにまではなっていません。やる気になればもっとヒトとカネを集中させ、クレジットカードの大手と肩を並べるぐらいまではできるはずだと私は思っています。

 金融でも保険でも、一度お客さんになってくれれば、その関係はずっと続きます。金融も保険も規制産業のため、参入するには相当の覚悟が求められますが、"信用"が重要な業界でもあります。その"信用"は通信会社であればネームバリューが大変有利に働き、勝てると思います。

 もう一つには、日本の通信会社も海外へどんどん積極的に出て行くべきだと思います。日本の通信市場はもう飽和状態で、これから減っていく一方ですが、海外には新興国も含めて、これから通信事情が飛躍的に伸びていくと予想される国がたくさんあります。そうした国に対し、マジョリティになれるよう仕掛けていくべきです。

これからの海外進出で重要なのは、語学力ではなく多様性に対する受容力。「違うのが当たり前」という感覚がなければマネージャーは務まらない
これからの海外進出で重要なのは、語学力ではなく多様性に対する受容力。
「違うのが当たり前」という感覚がなければマネージャーは務まらない

 この「新しい分野への進出」も、「海外への進出」も、どちらも経営者の確固たる意志と確信が必要となります。それから、海外へ行く場合、広い交渉力と、多様性に対する受容力も必要です。グローバル性に対応するために大切なのは、語学力よりも、多様性に対する受容力なのです。たとえば、外国では仕事のやり方が日本とは全然違います。インド人などはまったく違う。それにいちいちイライラしていたら仕事になりません。「違うのが当たり前」という感覚でないと、海外で仕事はできないのです。もっと言えば、そういう多様性に対する受容力を持った人が、経営陣にいなければ、海外進出は難しいのです。これまでほぼ国内市場のみで食べていた通信業界で頭を切り替えるのは、かなりの覚悟が必要といえるでしょう。

これからの海外進出で重要なのは、語学力ではなく多様性に対する受容力。「違うのが当たり前」という感覚がなければマネージャーは務まらない
これからの海外進出で重要なのは、語学力ではなく多様性に対する受容力。「違うのが当たり前」という感覚がなければマネージャーは務まらない

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