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第1回「食」の安心 前編| 次の情報セキュリティのヒントがここに つくろう!安心ニッポン|システム構築やトータルソリューションをお探しなら、Dunyaturuソリューションズをご利用ください。

第1回「食」の安心 前編
安心のつくりびと 長村 洋一 先生
鈴鹿医療科学大学副学長
一般社団法人 日本食品安全協会理事長

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聞き手 ひろた みゆ紀さん
フリーアナウンサー
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コミュニケーションが足りない!

長村 洋一 先生

ひろた

長村先生は、鈴鹿医療科学大学の副学長であると同時に、一般社団法人日本食品安全協会の理事長として、主に医療機関などで「食」のアドバイスを行う「健康食品管理士」の育成に携わっていらっしゃいます。
今日は先生に「食」の安心をテーマにお話を伺いながら、情報システム部門の方々にリスク管理へのヒントを何かしら頂戴できればと考えています。

長村洋一先生

よろしくお願いします。

ひろた

さて、では早速ですが、「食」の安心を脅かすリスクには、今どのようなものがありますか?

長村洋一先生

近年では、やはり「偽装」でしょう。
賞味期限、消費期限でウソをつく。原産地でウソをつく。入っているものでウソをつく。悪質な事件が続きました。
あと連続して起きてしまいましたのが、異物の混入と、その少し前に起きた農薬などが故意に混入される事件です。ただ、後者は根っこから解決するのは難しい問題です。動機が社会に対する不満ですから。「食」の分野だけでなく他の関係各所と連携して当たらないといけないですね。

ひろた

なるほど。ではそうしたリスクに日本の行政はどのように対応しているのでしょうか。効果はあがっていますか?

長村洋一先生

その都度、表示の仕方や管理の基準など法律を改正して再発を防止しています。私は世界基準で見て、日本の「食」は相当に安心できる状況にあると思います。

ひろた

安心しました。

長村洋一先生

ただ私が懸念しているのは、「食」に関するコミュニケーションが不足し、そのことで生まれているリスクがあることです。

ひろた

と、いいますと?

「わかりにくさ」こそリスク

長村洋一先生

リスクを最小限に抑えるための「リスク分析」という考え方があります。この考え方は、安全かどうかを調べる「リスク評価」と、安全なようにルールを決める「リスク管理」。そして評価やルールを関係各署や消費者に伝える「リスクコミュニケーション」という3つのプロセスが欠かせません。
日本は「リスク評価」と「リスク管理」はある程度うまくいっているのですが、「リスクコミュニケーション」が足りてないと、私は考えています。
例えば、賞味期限と消費期限の違い、正しく皆さんに伝わっていると思いますか?

ひろた

私もよくわからないです。皆さんにも正しく伝わっていないと思います。

※ここで長村先生、細かく説明。
消費期限とは、お弁当や洋・生菓子など長くは保存がきかない食品に表示するもので、開封していない状態で、表示されている保存方法に従って保存した時に、食べても安全な期限を示しています。
賞味期限とは、ハム・ソーセージやスナック菓子、缶詰など冷蔵や常温で保存がきく食品に表示するもので、開封していない状態で、表示されている保存方法に従って保存した時に、食べても安全な期限を示しています。期限を過ぎても食べられなくなるとは限りません。

長村洋一先生

あと例えば、食品パッケージの原材料のところにも消費者の方にはわからない単語が並んでいますよね。

ひろた

薬品の名前のようなものが書かれていますが、確かに普通の消費者には意味不明です。

長村洋一先生

そうなんです。そして知識の乏しい消費者に対して、「添加物は危険で、自然こそ安全」と不安を煽っている人がいます。

ひろた

確かに問題ですね。

思い込みのこわさ

長村洋一先生

例えばハムなどに入っていて、ボツリヌス菌の発生を抑える「亜硝酸ナトリウム」は、毒性が強い化合物として不安を煽っている方がいるのですが、野菜には自然な状態で硝酸化合物が含まれていて、これ、実は体内で一部亜硝酸化合物に変わります。サラダなんかを食べれば、たぶんハムで摂る量の何百倍も体内に入ります。

ひろた

えっ、それは大丈夫なんですか?

長村洋一先生

もちろん添加物としてだけ摂取する量は、野菜から摂取する量に比較したらまったく安全な量です。
毒性学には「どんな化合物も、それが毒になるかならないかはその量に依存する」という基本概念があります。そして食品衛生法では、その「量の概念」に沿って厳密に添加物を規制しています。
その安全な量の亜硝酸化合物よりも、ボツリヌス菌のリスクに注意すべきなんです。ボツリヌス菌は猛毒です。
かの有名な毒、青酸カリは、およそ180㎎、だいたい耳かき一杯が人間一人分の致死量。それが、ボツリヌス菌の毒だと0.00007~0.00009㎎です。完全無添加のハムの場合、作成されたときからそのボツリヌス菌が繁殖を始める可能性があります。
実は、「自然=安全」どころか自然の中こそ猛毒でいっぱいなんです。フグの毒やトリカブトの毒も有名ですが、これらの強さももちろん青酸カリの比じゃありません。

ひろた

間違った思い込みは、リスクを高めることになるんですね。

長村洋一先生

自然界の毒のリスクを抑えるために化学の力はとても有効、ということが化学の世界にいる僕たちにはわかる。でも消費者の皆さんにはわかりにくいですよね。
僕はこうした問題の解決のために「食」のリスクコミュニケーションを行う人が、もっと消費者の近くに必要だと思うんです。

ひろた's VIEW

自然の中こそ猛毒がいっぱい、というのは目からウロコのお話でした。そして「それが毒になるかならないかは量に依存する」という毒性学の「量の概念」。これは情報セキュリティのリスク管理でも、同じように重要だと思います。
例えば、社員のPC操作を記録したログ。どこからが、情報セキュリティのリスクと考えるべきなのか?通常業務で行われる操作と数を把握しておき、異常とみなすことができる数を「しきい値」として、目を光らせておくことが、ビジネス環境を安全に保つための基本ではないでしょうか。

プロフィール

長村 洋一 先生
鈴鹿医療科学大学副学長 薬学博士
一般社団法人 日本食品安全協会理事長
藤田保健衛生大学名誉教授

ひろた みゆ紀さん
1971年、岐阜薬科大学大学院薬学研究科 博士課程修了。日本食品安全協会理事長として、食と健康に関するアドバイスを行う「健康食品管理士」の育成に長年携わる。
また「多幸之介先生」のニックネームでウェブなどに「食」の問題を取り上げたコラムを執筆。臨床病理研究会奨励賞、坂幹夫賞、生物試料分析株式会社学会賞などを受賞。「長村教授の正しい添加物講義」(ウエッジ社)「健康食品学」(日本食品安全協会)「臨床化学」(講談社)など、著書多数。

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