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第2回 経済小説に経済の「今」を読む —もしも、今とは違う結果を望むのなら? その1—|幸田真音(作家)のマイン・スコープ|システム構築やトータルソリューションをお探しなら、Dunyaturuソリューションズをご利用ください。

第2回 経済小説に経済の「今」を読む —もしも、今とは違う結果を望むのなら? その1—
第2回 経済小説に経済の「今」を読む —もしも、今とは違う結果を望むのなら? その1—

現在、日本の長期債務の残高は891兆円。2011年度の国債発行額は過去最高額に達すると言われています。
こうした現状に危機感は感じても、意外と国債の仕組みそのものについて知られていません。
今回は『日本国債』執筆のきっかけとなった1998年当時の日本の経済状況を振り返りながら、国債市場の実態に迫ります。

現状を客観的に、正確に認識すること

 米国系の商業銀行や投資銀行、日本でいうところの証券会社だけでなく、途中に米国系のコングロマリット(複合企業体)でも勤務経験があるのですが、そうしたグローバル・ビジネスの現場で言われる「愚か者」の定義って、ご存じでしょうか?

「同じことを、同じ方法で、毎日毎日繰り返しながら、違う結果を期待する人」

 つまり、頭では変化を望み、口でも変化を唱えながら、そのくせ実際にやっていることは相変らず同じ、という人。そういうのを「愚か者」だというんですね。

 いかがですか? 

 ちょっと耳が痛いな、と思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか? でも、そんなふうに思った方は、まだ希望があると言うべきかもしれません。なぜなら、自分が同じことを繰り返しているという自覚があるからです。

 現状に危機感を持ち、いまとは違う結果を望むのであれば、これまでと同じことを、同じように繰り返していたのでは無理なんですね。

 現状から抜け出すには、みずから行動を変える必要がある。

 それはみんな頭ではわかっているのです。ところが実際にやるとなると、これが案外難しい。

 では、どうするか。

 まず現状を知る。それも、正しく知ることが不可欠になってきます。現実に直面している大きな問題があり、もしもそれを打破したいと願うのであれば、まず第一歩は現状を客観的に、正確に認識することです。

 私が『日本国債』(2000年講談社・刊)を書こうと思ったのは、1998年夏、小渕恵三政権がスタートしたころでした。その最大のきっかけは、この国の国債市場の現状について、もっと多くの国民に知ってほしいという強い願いからでした。

国債で賄われた大型景気対策の財源

 当時がどんな時代だったか、少し振り返ってみましょう。

 小渕政権は、国内にあっては金融不安のまっただなかのスタートでした。長引く銀行業界の不良債権処理に追われ、金融再生法案などで、揉めに揉めた時代です。

 高度成長期とともに、重厚長大の産業構造のなかで、長年隆盛を誇ってきたあの長期信用銀行。かつてトリプルAの格付けを有していた時代を知っている私にすれば、株価が額面を割り込み、公的資金の投入を受け、迷走の末に破綻していく姿は、その後の日本を暗示しているようで、切ないものがありました。

 半導体不況による設備投資の低迷、そして個人消費の落ち込みなど、日本経済にとっては長いトンネルのなかに迷い込んでしまったような、先の見えない時代でした。

 一方、海外に目を転じると、人民元の切り下げ懸念などを経て、前年(1997年)夏のタイを皮切りにアジア各国に発生した通貨危機が、ロシアにも飛び火し、この年(1998年)の8月にはついにデフォルト(債務不履行)に陥ります。

小渕政権の国債発行増額による緊急経済対策

 ロシアの通貨ルーブルは暴落、経済の混乱を嫌気して、大量の資金がロシア国内から流出、いわゆるキャピタル・フライトが発生します。

 アジアに続くロシアの通貨危機は、米国大手のヘッジファンドを破綻に追い込み、彼らが保有していた中南米などのエマージング(新興)市場の暴落へと、火の手が拡がっていったのです。

 そうした国内外の状況を受け小渕政権は、長引く不況対策として、積極的な財政出動に乗り出しました。秋に発表された緊急経済対策には、6兆円の恒久減税、公明党の発案による「地域振興券」の配布などを含め、いわゆる真水(※)で7兆6千億円の財政出動。全体では20兆円を超える規模の大型景気対策でした。

 その財源は、国債発行の増額という手段で賄われたのですが、減税による税収の減少もあり、結果的に1999年度当初予算のなかでの国債発行額は、なんと前年の約2倍、31兆円を超えるまでに膨らみました。1998年度の国債発行総額は、借換債(かりかえさい)を含めて、過去最高を更新、ついに70兆円を超えました。

※真水…国民総生産(GNP)に寄与する公共投資の額。

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