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平成の世にサムライを探して 

【第105回】京都大学大学院理学研究科教授 山極寿一「なぜ、人類は『笑い』を身に付けたのか? ゴリラの『笑い』が私たちに教えてくれること」

日常の様々な場面で、私たちはごく自然に笑っている。しかし、笑うことのできる生き物は一部の霊長類のみである。そう考えれば、「笑い」とは特殊な能力というべきなのかもしれない。なぜ、私たちはその力を身に付けたのだろうか。ゴリラ研究の第一人者で、ゴリラの「笑い」にも詳しい京都大学の山極寿一教授に話を聞いた。

生物の「笑い」その二つのルーツ

山極寿一(やまぎわじゅいち)プロフィール

1952年東京都生まれ。
1975年、京都大学理学部卒業。1980年、京都大学大学院理学研究科博士課程退学、理学博士。
現在、京都大学大学院理学研究科教授・研究科長。
30年以上にわたり、野生のニホンザルやチンパンジー、ゴリラの行動の研究を続けている。著書に『ゴリラ』『家族進化論』などがある。

※黒字=山極氏

── ゴリラが笑うというのは本当ですか。

笑いますよ。ゴリラだけではなく、チンパンジーやオランウータンも笑います。人間のように大きな声を出して笑うことはできませんが、お腹を震わせて、低い声で笑います。

── 生物が「笑い」という行為を身に付けたのは、進化のどの段階からなのでしょうか。

犬も笑いますよね、尻尾で。しかし、顔の表情で笑いを表現できるのは、霊長類、しかも顔から毛がなくなる真猿類以降です。顔に毛がびっしり生えていたら、表情が分かりませんから。

サルが樹上生活を送っていた段階では、表情に意味はありませんでした。木の上では、互いに同じ目線で顔を合わせるということがないでしょう。地上に降りてきて、顔と顔を対面させて目を見合わせる習慣が生まれて初めて、表情は意味を持つようになったわけです。

── どうして生物は笑うようになったのでしょう。

笑いには二つのルーツがあるといわれています。一つが対立を回避する方法としての笑いです。

山極氏の研究室にはゴリラに関する書籍や写真、置物などが数多く置かれている霊長類が夜行性だった頃は、1頭ずつが縄張りを持っていて、自分の縄張りに入ってくる仲間がいれば、威嚇して追い出していました。つまり、空間的にすみ分けていたわけです。しかし、昼行性、つまり昼に行動するようになると、身体が大きくなり、行動する範囲も次第に広がっていきました。行動範囲が広がれば、他の個体の行動域との重なりが生まれます。1頭ずつの小さな縄張りではやっていけなくなって、複数が集まって群れをつくる。そこに集団が成立します。

集団が形成されると、その中で複数の個体が共存していかなければならなくなります。弱い個体が強い個体を前にしたときに、引き下がって対立が起きないようにするのが分かりやすく簡便な方法です。対立を長引かせずに済むからです。そのような場面で、相手にへりくだったり媚びたりして、敵意がないことを示す。その方法が笑いでした。

笑いとは、当初はおそらく、相手の怒りをなだめるためのリアクションだったはずです。しかし次第に、相手が怒る前に、平和的共存を提案する方法として笑いを用いるようになったのだと思います。それが、現在の人間にも残っている「スマイル」です。僕たちにとっても、スマイルは相手への好意を示す意思表示ですよね。

── なるほど、笑いによって敵対関係を回避したわけですね。もう一つのルーツとは。

「遊び」です。ゴリラは、子どもも大人も追いかけっこやレスリングをして遊びます。遊びの中で、口を大きく開けて相手をかんだりします。もちろん、甘がみですが。その行為が笑いと結び付いていったと考えられます。これは楽しい笑い、英語でいう「laughter(ラフター)」に当たる笑いです。

取材に応じる山極氏── 遊びが楽しい笑いをもたらすというのは、まさに人間と同じですね。

遊びという行為を長く続けて、楽しむことができる。それがゴリラや人間など、高等な霊長類の特徴です。たとえば、ニホンザルの遊びは、せいぜい10秒くらいしか続きません。しかしゴリラは、同じ相手と2時間くらい延々と遊び続けることができます。長く遊び続けられるということは、相手に合わせる能力があるということです。

全く同じ能力を持った個体が存在しない以上、遊びの場面では、能力のある者が、自分の力を抑制して弱い者に合わせなければなりません。それができて初めて、遊びは成立するんです。僕は、相手に合わせることができるその能力が、「共感」という力になっていったと考えています。

共感とは、いわば相手に合わせることを楽しいと感じる能力のことです。相手と共に行動することが楽しい。だから長く一緒に遊んでいられる。その楽しさが、笑いをもたらす。つまり、共感と笑いとの間には、非常に密接な関係があるということです。

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