第4回 スタッフのモチベーションを上げるさまざまな自由。エンパワーメント理論は覚悟を決めてやり抜くことが必要。|星野佳路の「組織活性化」講座|システム構築やトータルソリューションをお探しなら、Dunyaturuソリューションズをご利用ください。

株式会社 Dunyaturuソリューションズ

星野佳路の「組織活性化」講座

第4回 スタッフのモチベーションを上げるさまざまな自由。エンパワーメント理論は覚悟を決めてやり抜くことが必要。
かつてのトップダウン方式での失敗から、社員が自分たちで考え、自由に議論し、顧客満足度を高めていく体制へと大きくシフトした星野リゾート。ケン・ブランチャード氏のエンパワーメント理論を取り入れ、情報も社員すべてが公平に得られるようにすることで飛躍的に組織が活性化していったという。人事もすべて立候補制を取り、モチベーション重視。社員のやる気が顧客満足度に比例することを語っています。

古参社員の退社で思い知った人材活用法

 第3回までに、組織を活性化するためには「現場で働くスタッフのモチベーションを高める」こと、そのためには誰もがポジションに関係なく自由に自分の意見が言える「フラットな組織文化」をつくることが最も大切だと、繰り返し述べてきました。

 私が星野リゾートの「フラットな組織文化」をつくろうと決意したのは、父から経営を受け継いで数年後のことです。当時の私は、会社の古い体質を変えようと躍起になっていました。リゾート法の成立によって参入してきた大手資本に対する危機感から、無駄を排し効率の良い経営をしなければならないと思い、事業のあり方を全面的に見直しました。そして、顧客満足度に基づく数値管理を導入するなどの改革を進めました。

 改革の成果は少しずつながらも出ていました。しかし、それと逆行するかのように古参の社員がどんどん辞めていったのです。スタッフの定着がなければ、納得のいくサービスは提供できません。顧客満足度は上がらず、業績も伸ばせない。かといって、新しい人材の補給もままなりませんでした。当時の星野リゾートは長野県軽井沢町のローカル企業に過ぎず、全国的な知名度が低かったため、社員を募集しても思うように集まらなかったのです。

 私は、「辞めたい」という社員に「辞めないでほしい」と懇願しました。なぜ辞めたいのか、何が理由なのか、徹底的にインタビューしました。判明したのは、社員が辞める最大の理由が「組織における夢と現実とのギャップ」であること。当時は私もトップダウン方式で経営をしていましたし、議論の場も設けてなかった。社員たちは命令で動くことにストレスを感じていたのです。

 程なく私はトップダウン方式をやめました。社員が自分たちで考え、自由に議論し、顧客満足度を高めていく体制へと大きく舵を切ったのです。「自分の判断で行動してもらうことで、社員のやる気を高めよう。言いたいことを言いたい時に言いたい人に言えるようにして、どんどん仕事を任せよう」と。

社員の能力を活用するエンパワーメントで組織再生

 この決断には大変な勇気が要りましたが、そこは“教科書通り”の経営を実践する私のこと。この時も根拠となる理論、すなわち教科書を見つけたからこそ決断できました。この時ヒントにしたものを1冊だけ挙げるとすれば、『1分間エンパワーメント』。社員の能力を生かしながら組織を再生する手順をストーリー仕立てで具体的に説いている本書には、「社員のパワーを引き出して、一人ひとりのやる気を高めることで、業績向上につなげる」とあり、まさしく当時の星野リゾートの状況にピタリとあてはまりました。感銘を受けた私は、ケン・ブランチャード氏が提唱するステップに沿いながら、自由な発言を奨励することで議論を活発にし、社員の働く気持ちを高めていったのです。また、仕事の目的、目標などを明確にし、仕事をどんどん任せました。そして役職やポジションにかかわらず、自由で対等に意見交換ができるフラットな組織文化づくりを始めました。

 エンパワーメントとは、人が本来持つパワーを引き出すこと。社員のエンパワーメントには、①仕事に必要な情報を提供し、責任を持って働く気持ちにする ②仕事の目的、目標などを明確にし、自分で管理する領域をつくる ③階層化した組織をやめ、自分たちで統率するチームに変える、という3つのステップを繰り返す。さらに、エンパワーメントの実現には困難な時期が来ることもあるので、困難を切り抜ける覚悟を固めておくことが必要とも書かれています。

意見を出し合える環境を作ることが
自発的な問題解決につながる

一人ひとりのやる気を高めることで、
業績向上につなげる

 そのようなことから私は、現場のスタッフに情報をすべて公開しました。理想は、現場の最前線にいるスタッフが持つ情報と、私の持っている情報がイコールであること。さらに、経営ビジョンと戦略を分かりやすく噛み砕き、私自身が直接スタッフに伝えることを心がけました。なお、スタッフの発言については、自由に行える場をつくることももちろん必要ですが、私はそれだけでは足りないと思っています。つくらなくてはならないのは“文化”です。特段の場を設けなくても日常的に誰もが自由に行えるような組織文化を持つこと。そのためには、普段の人間関係においてもポジションに関係なく、フラットな話し合いができるような組織でなければならない。そうした“文化”をつくることが、トップやマネージャーの役目だと考えています。“文化”とは、会社の仕組みでもなくルールでもない、曖昧なものですから、それはトップやマネージャーの姿勢から生まれてくるもの。マネージャーである人自らがその姿勢を変えなければチームやグループの文化は変わらない。しかし、逆に自らの姿勢を変えるだけで変わってくるはずです。


ページの先頭へ


本記事の内容は公開当時のものです。本コラムに関するご意見等ございましたら、Dunyaturuソリューションズまでお問い合わせください。

more information adulttorrent.org

подробнее agroxy.com

www.e-kirpich.kiev.ua