第50回 競争優位に立つ企業の組織的知識創造 |システム構築やトータルソリューションをお探しなら、Dunyaturuソリューションズをご利用ください。

Prowise Business Forum in Tokyo 第50回

講演レポート

競争優位に立つ企業の組織的知識創造

~失敗と成功の要因に迫る~

 2003年のスタートから通算50回目となるProwise Business Forum in Tokyoが、2011年6月29日に開催されました。今回のテーマは「競争優位に立つ企業の組織的知識創造」です。企業内の業務知識やノウハウを共有し活用して企業価値を高める上で不可欠な要素ですが、常に変化する動的な情報を活用しやすく体系化することは難しいのが実情です。
そこで、今セミナーでは、口コミ分析最大手のデータセクションの取締役会長を務め、ソーシャルメディアの専門家でもある橋本大也様をお招きし、ビジネス価値を生み出していくためのソーシャルネットワーク10の原理と知識創造5つの場についてご披露していただきました。
また、Dunyaturuソリューションズからは、企業内でのソーシャルメディア活用はどうあるべきか、また押さえるべきポイントは何かについて、当社の社内SNSの取り組み事例をご紹介するとともに、さまざまな経営課題に対応するための企業知識の継続的な活用について事例を交えながら解説しました。

会場風景
会場風景
会場風景
基調講演
価値創造のための組織知とITツール活用の方法論
データセクション株式会社
取締役会長 橋本 大也 氏
【講師プロフィール】
 大学時代にインターネットの可能性に目覚め技術ベンチャーを創業。主な著書に『情報力』『情報考学 --WEB時代の羅針盤213冊』『新・データベースメディア戦略。』『アクセスを増やすホームページ革命術』等。株式会社早稲田情報技術研究所取締役、株式会社日本技芸取締役、株式会社メタキャスト取締役、デジタルハリウッド大学教授、多摩大学大学院経営情報学研究科客員教授等を兼任。
 基調講演の副題を、「ソーシャルネットワーク10の原理と知識創造5つの場」とすることを打ち明ける橋本氏は、今インターネットで起こっている新しい事象や新たに構築された原理を整理した。
ソーシャルネットワークの理論を企業経営にも活用
 橋本氏が取締役会長を務めるデータセクションでは、ブログやTwitter、Facebookなどのソーシャルメディアで発生する口コミや情報を毎月1億件もデータベースに収集して分析することで、リスクマネジメントやマーケティングのトラッキングなどを行っている。
 そこから分かってきたこととして、橋本氏は、企業の資本には経済的資本(資金)や人的資本(人材)、文化資本(風土)のほかに、近年重視されている社会的資本(人間関係)があり、ビジネス人脈やレピュテーション(評価)、コミュニティなどが企業のパフォーマンスの大きな影響を与えるようになってきたという。
「近年、ソーシャルネットワ渡辺 聡 氏ークのデジタル化により人脈が可視化され、ブログやSNS、掲示板、チャットなど、メール以外のコミュニケーションツールが普及したことで、ソーシャルネットワークの原理を企業経営に活用することが検討され始めている」
そう説明する橋本氏は、主な10の理論を紹介した。

1、スモールワールドの理論
171カ国、6万人がランダムにメールを転送し合う実験を行った結果、国内では5人、国外でも7日を経由すれば誰にでもたどり着くことが判明したという。
2、弱い紐帯の理論
毎日のように高頻度で接する人達よりも、遠方にいて時々しか合わない人達との弱い関係の方がより重要な社会資本を生み出しているという理論。しかし弱い紐帯は1年に9割が消失してしまい、関係を保つコストをどう維持するかが課題となる。ITやソーシャルネットワークがそれを容易にしてくれるという。
3、構造的空隙の理論
知人の数が少なくても、他人と重複しないユニークな人間関係(ブリッジ)を構築すればネットワーク構造上で重要な役割を果たすという考え方。それがこれまで接触のなかった外の世界とのルートを作り情報を発信する要になるという。
4、信頼の解き放ちの理論
赤の他人を信頼できるかどうか(一般的信頼)の度合いが高い社会では離れたコミュニティにいる人同士が近道を作って情報交換をすることが容易になるという理論。
5、適性規模150人説
現代人は150人程度の規模が共同生活を営むには最適な規模だという説。軍隊や宗教組織などの機能単位も約150人で、個人的なつながりや信頼関係を保ちやすい限界という。
6、BAモデルの理論
新たな構成員が増え続けて成長するネットワークモデルのひとつ。新規参加者は組織の中で既に知り合いの多い人有力者につながろうとし、少数の有力なハブ型人間がより影響力を強めていくという。
7、日本家屋の仕切りの知
襖やすだれ、障子のように光や音、雰囲気を完全に遮断しない日本家屋のようなしきりを作ること組織で重要だという考え。
8、見えざる大学の理論
地理的に遠く離れた別々の組織に所属する比較的少数のエリート達が、個人的でインフォーマルに情報交換を行うことで先端領域において多大な影響力を及ぼす集団になる現象。自主勉強会やたばこ部屋、学校裏サイトなどがそれにあたる。
9、パーコレーションの理論
浸透閾値の理論。情報伝達から伝染病の感染拡大の速度などに適用され、つながり密度が一定の閾値を超えると系の性質が変わってしまうという現象。
10、賢い集団の理論
意見の多様性(各人が独自の私的情報を持つ)、独立性(他者の考えに左右されない)、分散性(身近な情報に特化し利用できる)、集約性(個々人の意見を集約して集団の1つの判断にするメカニズム)の4つが集団の知恵を働かせる要件だという考え方。

ソーシャルネットワークを活用させる5つの場
 橋本氏は、「こうした普遍的な原理をソーシャルネットワーク上で活用させるかが、今後企業がITを扱う上で考えるべきだ。特に、集合知による知識創造をいかに機能させるかが大切」と強調する。
その例として、電子書籍の可能性を示す橋本氏は、Twitterとの連動機能などが与えられるようになったことで、従来は難しかった読者と著者とのコミュニケーションが生み出す知、「ソーシャルリーディングの場」ができつつあるという。海外ではiPadの電子書籍にそうした機能が埋め込まれることが多く、コメントの書き込みなどソーシャルコミュニケーションが起こりやすい状況にあるという。
他にも、「フラッシュモブズの場」、「リアル×バーチャルの場」、「自分劇場の場」、「クラウドキャスティングの場」といったネットワークテクノロジーによる新種の場が増殖しており、これらを企業活動や社会活動にどのようにして取り込んでいくかが、情報システムを扱う側の課題となっていると指摘する。
最後に橋本氏は、"多様性は能力に勝る"という見方を示し、「知識配分メカニズムとしてのインターネットが登場したことで、世界中の専門家を結び付け、1つの中央研究所方式で頑張る必要はなくなる。技術のブレークスルーは開かれたソーシャルな空間にあるのかもしれない」と語り、基調講演を終了した。
Dunyaturuソリューションズセッション1
秋山 慎一
ソーシャルメディアの企業内活用のあり方
~Dunyaturuソリューションズの事例紹介~
Dunyaturu
経営企画本部 総合企画部
担当部長 増田 典生

 Dunyaturuソリューションズセッション1では、経営企画本部の増田が企業内でのソーシャルメディア活用はどうあるべきか、また押さえるべきポイントは何かというテーマで、Dunyaturuソリューションズが運用している社内SNS「SOLNS」(ソルネス)の活用事例の説明を行った。

SOLNS発足のきっかけは組織のタコツボ化への懸念
 SOLNSは2007年11月に運用を開始。運用体制は情報システム部門と人事総務部門などの関連部署で事務局を編成し、現在のメンバーは10名程度。増田が事務局長を務める。スタート当初はオープンソースのSNSシステムを利用して立ち上げたが、2008年から自社製品の情報・知識共有基盤「InWeave」に載せ替えるとともに、プロジェクトなどでの業務利用が増えたことから、招待制を廃止して全社員にID付与し、グループ会社や協力会社にも公開した。
 また、(旧)Dunyaturuシステムアンドサービスと(旧)Dunyaturuソフトウェアエンジニアリングが合併する以前に、両社に相互乗り入れする形でSNSの運用を組み替えた。新会社となるDunyaturuソリューションズが2010年10月に発足する前に、両社の人脈の構築と相互理解を図るための措置だったという。
 SOLNSのコンセプトを、「組織・職位をまたがって社員が繋がり、意見を交わし、協働して、新しい価値を生み出す『場』」と定義する増田は、社内SNSを開始した理由について、「企業規模が大きくなるに従って組織のタコツボ化が起こり、人となりが理解されにくくなって、オールDunyaturuソリューションズとして力を結集することが困難になっていた」と述べ、組織をまたがってアイデアや思いを共有する場としてSOLNSを立ち上げたと説明する。
第2の規模の事業部に匹敵するまで成長したSOLNS
 運用形態は、ネット上での繋がりをリアルな場で展開しやすいよう実名による運用で、非業務の書き込みも許容し、利用時間は特に限定していない。ルールもシンプルに、知財などの権利侵害の禁止、誹謗中傷の書き込みの禁止、会社規則に準じるという3つに絞っている。
 現在の稼働状況は、ID数が約2万1000、月1度以上アクセスするユニークユーザー数は約8400人、さらに3日に1度アクセスするアクティブユーザーは約3800人となり、「SOLNSは、金融関係に次ぐ第2の人員規模を擁するバーチャルな"事業部"」と増田は表現する。
 また、コンテンツ数では、日記の1日の投稿数は約180件、日記へのコメントは1日約480件、コミュニティの累計数は約900となり、メールシステムに次ぐ情報基盤になっている。
SOLNSの主な活用事例
 次に、増田はSOLNSの主な活用事例を紹介した。「教えてQ&A」は、全社から知恵を借りるサイトで、累計400の質問投稿と1件あたり平均12の回答が寄せられている。
 「新規事業アイデア募集」は、既存製品の新しい適用分やのアイデアを募集するサイト。ある新規開発品の応用については、クローズなメールでの募集時よりオープンなSNSの方が2倍の数のアイデアが寄せられたという。
 「全社アンケート」では、Dunyaturuソリューションズが発足した際の企業ビジョン、人材ブランド、行動指針などへのアンケートを行ったところ、2000人以上から回答があり、会社への想いの共有や一体感の醸成に役立ったという。
 また、「情報の共有と活用」のサイトでは、100以上の部門やプロジェクトでの情報共有基盤として利用中。公開範囲を部門単位で限定できる。メールやファイルサーバーによる情報共有と比べ、社員全員での同時共有・活用やプロセスも一元管理でき、タグを付けることで検索、再構築も容易になった。
社内SNSのあるべき姿とSOLNSの課題
 増田は、社内SNSとは、人と人が意見を交わし新たな気付きを得る「コミュニケーション」や、情報や知識を蓄積し活用する「ナレッジマネジメント」、そのナレッジを活用して新たな価値を生み出す「コラボレーション」といった基盤であるべきという。  また、運用で見えてきた課題としては、「固定したユーザーが利用している傾向があり、多様性を担保したEGM(Employee Generated Media)を創成したい」とした上で、非効率や寄り道を許容する文化、データ中心からSNSならではのヒト中心の仕組みも必要だと語り、Dunyaturuソリューションズセッション1のまとめとした。
Dunyaturuソリューションズセッション2
パネラー
企業知識の活用が様々な経営課題を解決していく!
~いかなる状況においても継続的な知識活用を実現するために~
Dunyaturu
運用管理システム本部 スマートオフィスシステム部 第2グループ
主任技師 松本 匡孝

 Dunyaturuソリューションズセッション2では、グローバル競争への対応や情報セキュリティの強化、事業継続計画(BCP)など、さまざまな経営課題に対応するための企業知識の継続的な活用について、運用管理システム本部の松本が解説した。

情報共有の機能不足で企業競争力が低下
 多くの企業では、社内ポータルや電子メール、検索システム、ファイルサーバーなどによる情報共有を行っているが十分に機能しているとはいえない。例えば、管理者が重要通達の閲覧状況を管理できない、個々の案件も担当者でなければ状況が分からない、ファイルサーバーには類似のファイルがありすぎて、検索しても目的の情報を探せない。さらにはメールの誤送信による漏えい事故を防止できないといった悩みがあるのではないかと松本は指摘する。
 このような問題は、組織の硬直化や知識を属人化させ、従業員のモチベーションの低下、情報漏えい事故、担当者不在で業務の停滞といった課題による損失で、企業競争力が急速に低下するという。
 課題の背景として、社会環境の変化があげられる。「昔は業務の標準化が可能だったため、マネージャーは担当者よりも優れたスキルや情報収集力を持ち、経験や力量で対応できる社会的環境があった。しかし、現代では社会環境が激しく変化し、経験や力量では対応できない時代になった」このような環境に対応するためには、担当者がそれぞれ独自に判断して行動し、お互いに情報共有しながら業務を進めることが理想だと松本は語る。
情報共有・活用のあるべき姿
 では、情報共有・活用のあるべき姿とは何か。理想の形として、ログインごとに担当業務に最適化された情報が整理され、会社規則、ToDo、新着情報などが一覧で分かるとともに、タブによってテーマ別に情報を効率的に切り替え可能なポータルや、管理者が通知・通達をタグで一元的に発信して従量員の閲覧状況を管理でき、情報をセキュアに管理できるコンテンツ管理システムを示す。
 また、情報共有のやり方としては、メールではなくサーバー上の掲示板形式のコラボレーション機能が望ましいという。「アクセス権を反映した上で一元管理し、変更履歴も残し、メンバーの異動時も情報が円滑に引き継がれるようになる。コンテンツとコンテキスト(コンテンツの作成目的や前提となったデータ)が一体となって管理できる」(松本)
 さらに、セキュリティを強化するためには文書管理システムとの連動が効果的という。管理者がファイルサーバーを監視・管理できるしかけを作り、不要ファイルを削除してスリム化することで、エンタープライズサーチの精度を上げ、ユーザーの情報へのアクセスを容易にする。
ツールを導入すれば機能するという過度な期待が失敗の原因
 そして松本は、10年におよぶソーシャルツールの業務への活用経験から、失敗事例と成功事例を紹介した。ある製薬メーカー事例では、500人の医療情報担当者(MR:Medical Representatives)と学術スタッフを対象に営業ノウハウの共有と医療情報のタイムリーな配信、組織を超えた交流を目的としたコラボレーションツールを導入したが、子育てコミュニティやサークル活動に利用され、業務利用されなかったことから導入1年後に5%未満にまで利用率が低下。ツールを導入すれば機能するという過度な期待と、業務利用のメリットをユーザーが理解していなかったことに失敗原因があったという。
 一方、IT系SIerの事例では、500人の営業部門を対象に既存CRMシステムの補完や営業ノウハウの見える化・共有を目的にInWeaveを活用したコラボレーションツールを導入。既に活用していたCRMにコラボレーションツールを連携させることで、業務にインプリメントされた仕組みをルール化した。その結果、CRM単独では困難であった営業活動における顧客や関連部署との調整などのプロセスを共有することに成功し、これまで表面化することが無かった社内で有名な伝説の営業マンの営業ノウハウまでも次第に蓄積されていったという。
緩いつながりこそが組織を機能させる推進力になる
 ソーシャルツールの適用業務の考え方として、松本は補完という考え方を重視し、既存システムの前段階のプロセスに活用することをアドバイスする。例えば、予算管理システムの前段で計画策定や戦略立案での利用や、販売管理システムの前段で納期調整や売掛け調整などに利用のほか、メーリングシステムの代わりにソーシャルツールを併用するなどが考えられるという。
 最後に、松本は、「いつでもコミュニケーションができ、情報が取り出せる場があることは、従業員につながっている安心感を醸成する。この緩いつながりこそが、組織やプロジェクトを機能させる推進力となる」とメッセージを残し、Dunyaturuソリューションズセッション2のまとめとした。
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