| 日立ソリューションズTOP | プレミアムサービスWeb TOP | この人に学ぶ | 平成の世にサムライを探して | 杉山愛 |

【平成の世にサムライを探して】元プロテニスプレーヤー 杉山愛「『自分自身』を物差しにすることが勝利につながる」

17年間の現役生活を通じ、グランドスラムで4度のダブルス優勝を果たした元プロテニスプレーヤーの杉山愛氏。世界を相手に勝ち続けるため彼女はどのような工夫をし、どのように自分と戦ってきたのだろうか。日立ソリューションズ 常務執行役員の石井清が、彼女の「勝つための哲学」に迫る。

「外からの視点」が問題点を明らかにする

杉山愛(すぎやまあい)プロフィール
1975年生まれ。
17歳でプロの世界に入り、グランドスラムで4度のダブルス優勝を経験。
グランドスラムの連続出場62回の世界記録を樹立し、オリンピックには4度出場した。
最高世界ランクはシングルス8位、ダブルス1位。
公式戦出場は計1772試合で、国際公式戦勝利数はシングルス492勝、ダブルス566勝を数える。
2009年10月現役を引退。

※黒字=杉山氏

── 今回のロンドンオリンピックを見ていて、スポーツにも伝統の重みというものがあると強く感じました。日本の選手が、過去何度も世界へのチャレンジを繰り返し、その積み重ねの結果として、数多くのメダルにつながっている。そう考えれば、結果は必ずしも選手一人が生み出したものではないと言えるのではないでしょうか。

ええ。選手一人ひとりの努力があるのはもちろんですが、先輩方が築いてきた歴史がそれを支えているのは確かです。テニスの世界でも、20年前、30年前の選手は本当に苦労されたと思います。その頃は、賞金の額もまだ低かったし、情報も今ほどありませんでした。先輩方が大変な思いをして道を切り開いてくださったおかげで、今、日本のテニスプレーヤーが世界で活躍できているのだと、本当に思いますね。

── そうですね。選手の努力やメンタリティはもちろんですが、歴史や周りの環境も、成績に影響しているように思います。メンタリティという部分では、著書の『勝負をこえた生き方』を読むと、杉山さんは現実としっかり向かい合ってきた方だということがよく分かります。現実と向かい合うことは、「戦略」を考える上で非常に重要な要素です。戦略とは目標を達成することなので、どのような目標を持つかが戦略の基本となります。しかしそれだけでは不十分で、現実をはっきり認識しないと、目標達成は絶対にできません。現実はたいてい厳しいものなので、多くの人はそこから目を背けてしまう。だから、目標達成がなかなかできない場合が多いのです。

インタビューに応える杉山氏私は17歳でプロの世界に入ったのですが、その頃から「世界でトップ10に入るプレーヤーになる」という目標を掲げていました。もちろん、簡単にその目標に近づけるわけではなくて、時には現実から目を背けたくなることもありました。

一番厳しかったのは、25歳で体験したスランプの時でした。何が悪いのかも分からないし、どうやって頑張っていいかも分からない。何が現実か分からないし、それを変えるにはどうすればいいかも分からない。そんな状態が半年くらい続いて、とても悩みました。

── 企業でも、問題点が分からないことが一番まずいんですよ。ベストなのは、結果が良く、問題点も見えている状態。その次が、結果は良くないが、問題点は分かっている状態。最悪は、結果も良くないし、問題点がどこにあるかも分からない状態です。

問題点が分からないということは、解決策が出せないということですものね。スポーツでいうと、調子がいいんだけれど、何でいいのか分からないという状態は、とても怖いんです。調子が崩れた時の対処法が分からないからです。逆に、調子がいいんだけれど、課題も明確にあるという状態なら、課題を解決することで、さらに調子を上げることができます。

杉山愛氏使用モデル(プリンス社製)── そういうことですよね。では、問題点が見えない時はどうすればいいか。現在の状態を外側から見ることです。問題を生み出している平面から出て、現状を客観的に眺めてみる。そうすれば、何が悪いかが見えてきます。

よく分かります。25歳で激しいスランプに陥った時、私は母にコーチを頼むことにしました。彼女が外側から私を客観的に見て、アドバイスをしてくれることで、暗闇に少しずつ灯りがともるような感覚を体験しました。やはり、外部からの視点は、何ごとにおいても大切なんですね。

── ええ。企業の場合、その外部からの視点をもたらしてくださるのが、お客様になります。お客様は企業とは別の視点で物事を見られています。外部から指摘いただくことで、問題の課題が明確になるので、我々はお客様の声をとても大切にしています。

勝つことよりも力を出し切ることが大切

日立ソリューションズ 石井── 結果が悪くても、自分の力を100パーセント出せていればそれはよしとする。それが杉山さんのポリシーだそうですね。確かにビジネスでも、「勝ちたい」という気持ちが、逆に負ける原因になることがあります。気持ちが理性を上回ってしまって、判断ミスをしてしまうからです。

私も昔はがつがつして、常に勝つことだけを目標にしていたのですが、ある時、勝ちに執着して結果に一喜一憂していると、自分の力を出し切れないことに気づいたんです。勝ち負けではなく、今の自分の力を何パーセント試合で出せたのか。それを物差しにすることで、たとえ負けたとしても、何が足りなかったかがはっきり分かるようになりました。何が足りないかが明確なら、どんな練習をすればいいかも見えてきますよね。

── メンタル面に関してはいかがですか。スポーツでは、試合の最後の局面などで、心の持ちようが結果を大きく左右するのではないでしょうか。

杉山氏おっしゃるとおりです。世界のトップ10くらいになると、実力はほとんど同じなんです。だから、大切な時に、どれだけ力を発揮できるかによって、結果は大きく変わってきます。

特にテニスはメンタルスポーツといわれていて、相手にマッチポイントを取られていても、「まだいける」と思うこともあれば、自分がマッチポイントを取っていても、不安なこともあります。

まさしく、土壇場での気持ちの強さが勝敗を左右するんです。私は、2007年からドイツ人のメンタルトレーナーにお世話になることで、メンタル面の改善ができました。現役生活の最後の3年間は、何度も彼女に相談しましたね。

会員登録をしていただくと、続きをご覧いただけます
会員登録はこちら
(別ウインドウでリンク。これより先はSSL暗号化通信と鳴ります。)

※本サービスは法人のお客様向けに提供しております。法人に所属していないお客様は入会をお断りさせていただく場合がございます。何卒、ご了承下さいますようお願い申し上げます。

会員詳細について>>

「この人に学ぶ -Expert-」カテゴリの他のコンテンツも見る

  • 平成の世にサムライを探して
  • キーパーソン
  • あの人のモノ選
※2010年9月30日以前に公開されたコンテンツについては、本文中の社名は当時のもの(日立システムアンドサービス)となっております。
会員登録がお済みでない方はこちら 会員登録 こちら
会員の方はこちらから ログインページへ
【プレミアムサービスについてのお問い合わせ】0120-571-488 受付時間:月〜金(祝祭日除く)10:00〜17:30
ミスタープロジェクトマネジメント 名内泰藏特集
ムσキミスミームび ミアミセミサム袴威オ budmagazin.com.ua

baden-medservice.com/kliniki-germanii/max-grundig-klinik/